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Nukeme “Floating Space” Pop Up 回想録 2021/9/29~10/6

アーティストNukemeのPop Upを開催しました(2021/9/29~10/6)

https://www.instagram.com/nukemenukeme/

Nukeme(ヌケメ)はデータに意図的にバグやエラーを起こさせる「グリッチ」の手法を用いるデザインが象徴的なアーティストで、今や世界的に活躍されています。

 

「服をメディアとして捉える」という発想で作品作りをされていて、一般的な服飾デザイナー枠にはおさまらない独自性が伺えます。

ヌケメ帽シリーズは、印象的な日本語のフレーズが刺繍されていますが、これらはヌケメと親しい詩人の辺口芳典氏(http://yoshinorihenguchi.com/)が作成した短い詩だそうです。ヌケメは、「ヌケメ帽の着用者は代金を支払っているにも関わらず辺口氏の詩を宣伝している」といいます。

そもそもよく考えてみると、ブランドロゴが入ったTシャツやカバンなども、ある意味広告と捉えられ、消費者は購入代金を支払っている上で広告していることになる・・・この「ねじれた感じ」に面白みを感じて始めたシリーズの代表作がヌケメ帽だそうです。

 

Tシャツにほどこされている有名キャラクター、企業名や飲食店名は、「グリッチ刺繍」によるもので、コンピューターミシンの針の作動データに、あえてグリッチ(バグやエラー)を起こさせ出力したものです。意図的にデザインを少し崩しています。

 

刺繍に誰もが見たことのあるロゴや名前を採用することで、見る人には「崩したデザイン」であることが認識してもらえます。「目の前のデザインは壊れているが、同時に頭の中には壊れてないデザインが浮かぶ」、その差を脳が埋める「何か変だな」と覚える感覚に意味を見出しています。

「当たり前だと思っているものの構造について、ちょっと立ち止まって考えることで、工夫の可能性が広がる。知らなくても生きていけるけど、知った方が面白い」といった思いが反映した作品ということです。

製作の背景を知ると、遊び心だけではなく「知的好奇心を呼び起こす仕掛けのあるファッション」といえそうですね。

 

 

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