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坂本紬野子 “Whole” 回想録 2021/6/12~20

6月、坂本紬野子さんの個展”Whole”を開催しました。

元々は現代アートと彫刻をイギリスの大学で専攻していたそうですが、在学中に出会った陶芸教室で日用品を作ってみたことが面白くて夢中になり、ほぼ独学で今の花器の制作を行っているそうです。

とても気さくな方で、ざっくばらんに色々お話を伺いました。

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空間に大変興味がある。

例えば同じ部屋でも、古い教会の柱を一本取り出して置くだけでガラッと空間が変わる。

例えば、同じ白い壁が続いている中に、下地のレンガが部分的に見えている箇所があるかないかで空気感、味わいが変わってくるという、空間の変化をおもしろいと感じる。

展示会場でも花器を高さの差異を作りながら展示する。凹凸の変化が生み出す空間がおもしろい。視点を移動させながら凹凸感やテクスチャーの違いを観る時に人は空間を感じるのかな〜と思う。

つるっとした面だけを観るのもいいけど、ザラザラした箇所を観た後にまたつるっとした面を観た時に何かが生まれるのだと思う。

モチーフは、国内外で見てきた建築物、植物、博物館で見た古代の民芸品などからインスピレーションを得ることが多い。

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そんな話を聞きながら、筆者は4時間ほども見飽きることなく花器を見続けたのでした。

どれも有機的で独特だけどどこか懐かしく、またオリジナルの釉薬の色合わせが作る色空間も素敵でかなり魅了されました。

複数購入し、自分の置く空間に生み出す変化を味わいたいと思いました。

個展以外では、IDEE SHOPでお取り扱いがあるそうです。

IDEE SHOP  https://www.idee.co.jp/shop/

〈プロフィール・略歴〉
坂本紬野子は1992年生まれ。2016年ロンドン芸術大学キャンバウェルカレッジ彫刻科を卒業。大学在学中に陶芸に出会い、ほぼ独学で制作を始める。手で粘土に直接触れ、自由にかたちをつくれる手びねりの技法や、自身で調合した釉薬、焼成の実験を重ねながら制作活動を続けてきた。18年に帰国し現在は長崎を拠点に活動。
近年の個展に「いま初めて見る」(イデー自由が丘、東京、2020)、「No Stranger」(Playmountain East, サンフランシスコ、2019)など。

 

 

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